「見てよ、クロウ！すっごいでしょ！」 「お、コウモリ！」 「ふふーん！」 ヴァンパイアとコウモリ ヴァンパイアの僕はコウモリって昔から決まってるのよ。 パパもいっぱい連れてるし、 叔父様なんてコウモリで姿が見えないぐらい従えてるんだから。 コウモリをいっぱい僕にしてるヴァンパイア程、 力があるって言われるのよ。 そしてついに……私も従えさせたのっ！ あぁっ、今まで散々言う事聞かない僕に悩まされて来たけど、 それも今日でグッバイよ！ 「見直した、クロウ？私だってやれば出来るんだから」 「おぅ、俺にも出来そう」 「出来ないわよっ。 　って言うか猫がコウモリ僕にしてどうするのっ、食べるのっ？」 「コウモリはたまに食べる」 「食べちゃダメーッ！！」 クロウならやりかねないから怖いのよね。 今日だって口の端からネズミの尻尾が出てたもん…… ……生で食べるのかな、やっぱり？ 「なぁ、生まれたてのコウモリ僕にしても使えないと思うぞ。」 「はっ――！！！」 「馬鹿め……」 その後、赤ちゃんコウモリを返して大人のコウモリで頑張って見たけど、 恐ろしいほど懐かなかったわ…… 何だろうこれ、嫌がらせなのか――…… 「にゃーっ！！」 「キーッ！！」 「――ちょっとーっ、何やってんのクロウーッ！！ 　 　食べちゃダメっ、食べちゃダメ―っ！！」 コウモリ達から嫌われる理由が分かったわ！ ヴァンパイアとコウモリ　終わり